食品メーカー営業のPOS分析とは?7年経験者がデータの見方と商談への活用を解説

仕事

食品メーカーの営業というと、スーパーやドラッグストアの担当者と商談して商品を売り込む仕事をイメージする方が多いかもしれません。

しかし実際には、売上データの分析も大切な仕事の一つです。

私は食品メーカーで約7年間営業を経験し、小売企業への商談、店舗巡回、見積もり作成、POSデータや市場データの分析などを担当してきました。

この記事では、食品メーカー営業がPOSデータをどのように活用しているのか、実際の仕事内容を交えて解説します。

※企業や担当する商品、取引先によって業務内容は異なります。筆者の経験と一般的な分析例を区別して紹介します。

POSデータとは?食品メーカー営業との関係

POSデータとは、店舗のレジで記録される販売情報です。

商品がいつ、どれだけ、いくらで売れたかなどを把握するために使われます。

食品メーカー営業にとって重要なのは、商品を提案した後、実際に消費者に購入されているかを確認できることです。

例えばメーカーから卸店に商品を出荷していても、それだけでは店頭で順調に売れているとは限りません。

店舗での販売実績を確認することで、商談や販売施策を考える材料が増えます。

食品メーカー営業もPOS分析を行う

私自身、POSデータを取得できる取引先では、商品の販売実績を分析していました。

また、インテージなどの市場データも活用していました。

すべての小売企業で同じデータが入手できるわけではありませんが、利用可能な情報をもとに商談資料を作成することは、食品メーカー営業の重要な仕事の一つです。

商談以外の仕事内容については、以下の記事でも紹介しています。

食品メーカー営業の1日の流れ|商談・店舗巡回・資料作成のリアル

POS分析ではどのような数字を見る?

ここでは、食品メーカーの販売分析で役立つ代表的な指標を紹介します。

指標分かること
販売数量商品が何個売れたか
売上金額販売によって生まれた売上規模
販売単価販売価格の水準や変化
販売推移前週・前年などとの変化
商品別実績売れている商品と伸び悩む商品

単に売上が増えたかどうかを見るだけでは、状況を十分に判断できません。

例えば売上金額が増えていても、販売数量は減っている可能性があります。

そのため、複数の指標を組み合わせて確認することが大切です。

販売数量と売上金額は分けて考える

これは私自身、値上げ対応でも重要だと感じた点です。

値上げ後には販売数量が落ちる商品も多くあります。

一方で、単価が上がったことによって売上金額は値上げ前とほぼ変わらないケースもあります。

例えば仮に、ある商品の販売数量が1,000個から900個に減っても、平均販売単価が100円から110円になれば、売上金額は10万円から9万9,000円となります。

数量は10%減っていますが、売上金額は1%減にとどまる計算です。

これは説明用の仮定ですが、数量と金額を分けて確認する必要性が分かります。

実際の値上げ商談については、こちらで詳しく紹介しています。

食品メーカーの値上げ商談とは?棚落ち・見積変更・価格調査のリアル

POSデータだけでは分からないこともある

私が営業で行っていた業務には、店舗巡回もありました。

店舗では売場の陳列、販促物、特売の実施状況、新商品の展開などを確認します。

POSデータに販売数量の変化が出ていても、データだけではその理由を十分に説明できない場合があります。

例えば、売場の目立つ位置で販売されているのか、特売が実施されているのか、競合商品がどのように展開されているのかといった情報は、店舗確認が役立ちます。

数字を見ることと、実際の売場を見ることは、どちらも重要です。

競合商品や市場全体の動きも確認する

自社商品の売上が伸びていても、市場全体がそれ以上に伸びている場合、自社だけが特別に好調とは限りません。

逆に自社商品の売上が減っていても、市場全体も縮小している可能性があります。

こうした違いを確認するため、市場データや競合商品の動向を参考にすることがあります。

私自身もインテージなどのデータを分析業務で使用していました。

ただし、利用できる指標やデータの範囲は契約内容などによって異なります。

分析した数字を商談資料にどう生かす?

分析は数字を確認すること自体が目的ではありません。

食品メーカー営業では、取引先に商品の販売状況を説明し、次の販売施策を検討する材料として活用します。

例えば、一般的には次のような流れで整理できます。

  1. 自社商品の販売実績を確認する
  2. 販売数量と売上金額の変化を整理する
  3. 競合商品や市場の動向を確認する
  4. 実際の店舗で売場や特売状況を確認する
  5. 必要な施策を検討し、商談資料にまとめる

私の担当業務でも、分析結果を資料にまとめる作業は日常的な仕事の一つでした。

商談の準備には、数字の確認だけでなく、相手に分かりやすく伝える資料作成も必要になります。

販売事例を社内に共有する仕事もある

食品メーカーでは、ある取引先で成果が出た施策を、別の取引先でも参考にできる場合があります。

私自身、成功した販売事例を資料にまとめ、社内へ発信する仕事も経験しました。

こうした資料が全国の担当者に共有されることもあります。

単に売上をつくるだけでなく、うまくいった取り組みを再現できる形で整理することも重要だと感じています。

そのためには、販売実績や実施内容を整理し、何が行われたのかを分かりやすく伝える力が必要です。

食品メーカー営業に必要なのは分析力だけではない

POSデータを使う仕事ではありますが、分析が得意なだけで営業ができるわけではありません。

小売企業の担当者とのコミュニケーション、店舗での情報収集、社内調整、資料作成なども必要です。

私が約7年間経験して感じたのは、食品メーカー営業には幅広い業務があるということです。

商品の提案だけを想像して入社すると、デスクワークの多さに驚くかもしれません。

食品メーカー営業の大変な部分については、以下の記事で詳しく紹介しています。

食品メーカー営業はきつい?7年間働いて感じた仕事内容と大変なこと

まとめ|POS分析は食品メーカー営業の大切な仕事

食品メーカー営業は、商談や店舗巡回だけでなく、POSデータや市場データを使った分析業務も担当します。

私自身も、販売実績の分析、商談資料の作成、店舗確認、成功事例の社内共有などを行ってきました。

大切なのは、数字だけで判断するのではなく、実際の売場や競合商品の状況と合わせて考えることです。

「数字を見る」「売場を見る」「商談に生かす」という一連の流れが、食品メーカー営業の仕事内容を理解するうえで重要だと思います。

就職・転職を考えている方にとって、営業の具体的な業務を知る参考になれば幸いです。

※この記事は筆者の経験をもとに構成しています。指標や分析手順の例は一般的な説明であり、特定企業の内部手順や非公開情報を示すものではありません。

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