食品メーカー営業はなぜ店舗巡回する?7年経験者が見るポイントと仕事内容を解説

仕事・転職

食品メーカー営業の仕事というと、「スーパーやドラッグストアの本部でバイヤーと商談する仕事」をイメージする方が多いかもしれません。

しかし、私が食品メーカーで約7年間営業を経験する中で、商談と同じくらい身近だった仕事の一つが店舗巡回です。

実際にスーパーやドラッグストアへ行き、自社商品がどのように販売されているのかを確認します。

ただ商品が置いてあるかを見るだけではありません。

売場、特売、新商品、競合商品の展開などを確認し、店舗担当者とコミュニケーションを取ることもあります。

この記事では、食品メーカー営業はなぜ店舗を回るのか、約7年間の営業経験をもとに実際の仕事内容を紹介します。

※本記事は筆者自身の営業経験をもとにしています。メーカー、担当企業、商品カテゴリーなどによって仕事内容は異なります。

食品メーカー営業の「店舗巡回」とは?

店舗巡回とは、担当するスーパーやドラッグストアなどの店舗へ実際に足を運び、売場の状況を確認する仕事です。

私の場合、商談がない日だけでなく、取引先との商談前後にも店舗を確認することがありました。

例えば商談がある日は、商談前に店舗を確認してから取引先へ向かうこともあります。

本部で数字を見るだけでは分からないことが、実際の売場にはたくさんあるからです。

食品メーカー営業の1日のスケジュールについては、こちらの記事でも詳しく紹介しています。

▶ 食品メーカー営業の1日の流れ|商談・店舗巡回・資料作成のリアル

店舗巡回で見るポイント① 自社商品がどう売られているか

まず確認するのが、自社商品の売場です。

商品がどこに置かれているのか、どの程度のスペースで販売されているのか、新商品がきちんと展開されているのかなどを確認します。

本部との商談で商品の採用が決まっていても、実際の店舗でどのように展開されているかは別の話です。

商談で決まったことが実際の売場でどう表現されているのかを見ることは、店舗巡回の大切な目的だと感じています。

店舗巡回で見るポイント② 特売の状況

特売が実際にどのように展開されているかも確認します。

食品では通常価格だけでなく、特売によって販売数量が大きく変わる商品があります。

そのため、どの商品が特売されているのか、自社商品だけでなく競合商品がどのような販売をしているのかを見ることも重要です。

特に値上げ後は、商品によって販売数量が落ちることがあります。

私の経験でも、値上げ後に販売数量が落ちた商品について、特売などで露出を増やす必要があるケースがありました。

値上げ時の営業の仕事内容については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

▶ 食品メーカーの値上げ商談とは?営業7年経験者が現場を解説

店舗巡回で見るポイント③ 新商品の展開

食品メーカーでは新商品が定期的に発売されます。

営業としては商品を採用してもらうだけでなく、発売後に実際の店舗でどのように展開されているかも気になります。

新商品が売場のどこに置かれているのか。

どの程度のスペースが取られているのか。

競合メーカーの新商品はどのように販売されているのか。

こうした情報を実際の店舗で確認します。

売場を見ることで、次回の商談で使える情報が見つかることもあります。

店舗巡回で見るポイント④ 競合商品の売場

自社商品だけを見て帰るわけではありません。

競合メーカーの商品についても確認します。

同じカテゴリーで、

  • どの商品が目立つ場所に置かれているか
  • どの商品が特売されているか
  • 新商品がどのように展開されているか
  • 売場全体がどのように変化しているか

といった部分を見ることがあります。

自社商品の販売実績が変化したとき、その理由が自社商品だけにあるとは限りません。

競合商品の特売や売場変更などが影響している可能性もあります。

POSデータと店舗巡回を組み合わせる

私自身、POSデータを取得できる取引先では販売実績の分析も行っていました。

POSデータを見れば、販売数量や売上金額などを数字で確認できます。

ただし、数字だけでは「なぜ売上が変化したのか」が分からないことがあります。

そこで役立つのが実際の売場です。

例えば販売数量が伸びていた場合でも、店舗を見ると特売が実施されていたり、目立つ場所に商品が展開されていたりすることがあります。

反対に販売数量が落ちている場合、競合商品が大きく展開されているなど、売場で気付くこともあります。

「POSで数字を見る」+「店舗で現場を見る」という組み合わせは、私が営業をしていたときにも重要でした。

POS分析についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。

▶ 食品メーカー営業のPOS分析とは?データの見方と商談への活用を解説

店舗担当者とのコミュニケーションも重要

店舗巡回では、売場を見るだけではなく、店舗担当者と話をすることもあります。

私の経験では、こうした店舗担当者との関係づくりも営業活動の一つでした。

日頃からコミュニケーションを取ることで、売場について話を聞けることがあります。

特に売上規模の大きな店舗では、店舗担当者との関係ができたことで、店頭イベントや売場展開につながるケースも経験しました。

本部のバイヤーとの商談だけでなく、実際に商品を販売している店舗との関係も大切だと感じています。

すべての店舗を営業担当者だけで回るわけではない

大手食品メーカーになると、営業担当者だけですべての店舗を巡回するのは現実的ではありません。

私が見てきた範囲では、店舗巡回を担当するスタッフが別にいるケースもあります。

メーカーによって体制は異なりますが、営業担当者と店舗巡回を担当するスタッフが情報を共有しながら売場を確認することがあります。

担当店舗数が多い企業ほど、こうした仕組みが重要になります。

店舗巡回で得た情報を商談に戻す

店舗巡回は、店舗を見ること自体が目的ではありません。

重要なのは、そこで得た情報を次の仕事に生かすことです。

例えば、

  1. POSデータで販売実績を確認する
  2. 店舗へ行って実際の売場を確認する
  3. 競合商品や特売状況を見る
  4. 気付いたことを整理する
  5. 次回の商談資料や提案に反映する

という流れにつながります。

データ分析と店舗巡回、商談はそれぞれ別の仕事に見えますが、実際にはつながっています。

良い売場事例は社内で共有することもある

店舗を回っていると、自社商品が非常に良い形で展開されている売場を見つけることがあります。

私自身、成果が出た販売事例を資料にまとめて社内へ発信する仕事もしていました。

良い事例は担当エリアだけで終わらせず、全国の営業担当者に共有されることもあります。

別の担当者がその事例を参考にし、他の取引先へ提案できるからです。

食品メーカー営業では、自分の担当先で成果を出すだけでなく、成功事例を他の担当者が使える形にすることも重要だと感じています。

食品メーカー営業は思っている以上に「現場を見る仕事」

食品メーカー営業を経験する前は、営業というと取引先との商談が中心だと思う方も多いかもしれません。

しかし実際に働いてみると、商談以外にも店舗巡回、POS分析、見積もり作成、資料作成、社内調整など多くの仕事があります。

特に小売企業を担当する営業では、商品が最終的に販売される店舗を見ることには大きな意味があります。

食品メーカー営業の仕事内容や大変なところについては、こちらでもまとめています。

▶ 食品メーカー営業はきつい?7年間働いて感じた仕事内容・メリット・大変なこと

まとめ|店舗巡回は商談につなげるための情報収集

食品メーカー営業の店舗巡回は、単に自社商品が置いてあるか確認する仕事ではありません。

売場、特売、新商品、競合商品の展開などを確認し、POSデータだけでは分からない現場の情報を集めます。

さらに店舗担当者とのコミュニケーションから、販売施策や店頭イベントにつながることもあります。

私自身、約7年間営業を経験して、「数字を見る→店舗を見る→商談に生かす」ことが食品メーカー営業では重要だと感じました。

食品メーカーへの就職・転職を考えている方にとって、実際の仕事内容を知る参考になれば幸いです。

※本記事は筆者自身の食品メーカー営業経験をもとにしています。実際の店舗巡回方法や担当範囲は企業・部署・取引先などによって異なります。

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