食品メーカー営業の社内調整とは?7年経験者が得意先と社内の板挟みをリアルに解説

仕事・転職

食品メーカー営業というと、スーパーやドラッグストアのバイヤーと商談して商品を提案する仕事をイメージする方が多いと思います。

しかし、私が食品メーカーで約7年間営業を経験して感じたのは、得意先との商談と同じくらい「社内調整」が重要だということです。

得意先から要望を受けても、営業担当者がその場ですべて決められるわけではありません。

一度社内へ持ち帰り、条件を変更した場合の影響を計算したり、関係部署へ説明したりして、会社としてどこまで対応できるのかを確認することがあります。

この記事では、食品メーカー営業を約7年間経験した筆者が、外からは見えにくい「社内調整」の仕事内容を実体験から紹介します。

※本記事は筆者自身の食品メーカー営業経験をもとにしています。社内の承認方法や営業担当者の権限、取引条件などは企業・部署・得意先によって異なります。

食品メーカー営業の「社内調整」とは?

私が経験した食品メーカー営業では、得意先と商談して終わりではありませんでした。

得意先から何らかの要望を受けた場合、その内容を社内へ持ち帰って確認することがあります。

特に調整が必要になりやすいのが、販売条件など金額に関係する相談です。

営業担当者としては得意先の希望に応えたい一方で、会社側には売上や利益などの事情があります。

そのため、単純に「分かりました」と回答するのではなく、得意先の要望と会社側の条件の間に入って調整することになります。

社内調整の流れ① 得意先から要望を受ける

最初は得意先との商談などから始まります。

商談をしていると、商品の提案だけではなく、さまざまな相談や要望を受けることがあります。

その場ですぐ回答できる内容もありますが、自分だけでは判断できない内容もあります。

特に金額や条件に関係する話になると、営業担当者個人の判断だけで決めることはできません。

そこで、まずは相手が何を求めているのかを整理して社内へ持ち帰ります。

社内調整の流れ② 条件を変えた場合の数字を試算する

私の経験では、社内へ相談するときに重要だったのが数字で説明できる状態にすることです。

例えば得意先から販売条件に関する要望を受けた場合、その条件を変更すると売上や利益にどのような影響が出るのかを確認します。

「得意先からお願いされたので対応したいです」だけでは、社内で判断する材料として十分ではありません。

条件を変更するとどの程度影響するのか。

その代わりに、どのような販売効果が期待できるのか。

こうした内容を整理して、必要に応じて試算資料を作成します。

食品メーカー営業は人と話す仕事というイメージが強いですが、実際には数字を計算したり、資料を作ったりする時間もかなりあります。

営業の1日の仕事内容については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。

▶ 食品メーカー営業の1日の流れ|商談・店舗巡回・資料作成のリアル

社内調整の流れ③ 関係者へ説明する

数字を整理したら、必要な関係者へ相談します。

ここで重要なのは、得意先の要望をそのまま伝えるだけではなく、なぜその対応が必要なのかを説明することです。

営業担当者は得意先と直接話しているため、商談の背景や相手の意図を理解しています。

一方で、社内の関係者が同じ情報を持っているとは限りません。

そのため、

  • 得意先から何を求められているのか
  • なぜその要望が出ているのか
  • 対応すると数字にどのような影響があるのか
  • 対応することで何が期待できるのか

などを整理して説明する必要があります。

営業には、得意先への説明力だけでなく、社内の人に理解してもらう説明力も必要だと感じています。

社内調整の流れ④ 決まった内容を得意先へ回答する

社内で方針が決まったら、その内容を得意先へ回答します。

もちろん、得意先からの要望をすべて受けられるとは限りません。

会社として対応できない内容であれば、営業から得意先へ伝える必要があります。

ここが営業の難しいところです。

得意先とは今後も取引が続くため、単に「できません」で終わらせるのではなく、状況を説明しながら話を進めます。

私は食品メーカー営業を経験して、「何でも受け入れること=良い営業」ではないと感じるようになりました。

営業は得意先と社内の間に入る仕事

営業をしていると、得意先側と会社側で考えていることが一致しない場面があります。

得意先には得意先の事情があり、メーカーにはメーカーの事情があります。

その間に入るのが営業です。

得意先から見るとメーカーの窓口であり、社内から見ると得意先の状況を最も理解している担当者でもあります。

そのため、どちらか一方の希望をそのまま伝えるだけでは仕事になりません。

双方の事情を理解しながら、現実的な着地点を探すことも食品メーカー営業の仕事だと思います。

値上げ商談でも社内外の調整が発生する

社内外の調整が分かりやすく発生する仕事の一つが、商品の値上げです。

商品の価格改定が決まると、小売企業だけでなく卸店との調整や見積もりの変更なども発生します。

得意先によっては「現在の条件をもう少し継続できないか」といった相談を受けることもありました。

こうした場合も、営業担当者だけで即答できるとは限りません。

社内で確認しながら対応することになります。

実際の値上げ商談については、こちらの記事で詳しくまとめています。

▶ 食品メーカーの値上げ商談とは?営業7年経験者が現場を解説

社内調整では資料作成にも時間がかかる

営業の社内調整というと、社内の人と話すだけのように聞こえるかもしれません。

しかし私の場合、実際にはその前段階の資料作成にも時間を使っていました。

必要な販売実績を確認し、数字を計算し、関係者が判断できるように整理します。

得意先を複数担当していると、こうした作業が重なることもあります。

そのため食品メーカー営業は、外出している時間だけでなく、パソコンに向かっている時間も意外と長い仕事です。

POS分析も社内調整の材料になる

私の場合、POSデータを取得できる得意先では販売実績も分析していました。

得意先への提案だけではなく、社内で何かを説明するときにも、数字があると話を整理しやすくなります。

感覚だけではなく、実際に商品がどの程度売れているのかを確認したうえで考えることが重要です。

POS分析については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

▶ 食品メーカー営業のPOS分析とは?データの見方と商談への活用を解説

社内調整が上手い営業とは?

7年間営業を経験して感じるのは、得意先の要望を何でも社内へ持ち帰るだけでは、調整はうまくいかないということです。

まず自分で要望の背景を理解し、必要な数字を整理してから相談する方が、話を進めやすくなります。

また、得意先に対しても、難しいことを曖昧に引き受けるのではなく、できないことはきちんと伝える必要があります。

私自身、食品メーカー営業に向いている人の特徴として「必要な場面で断れること」は重要だと感じています。

食品メーカー営業に向いている人・向いていない人については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

▶ 食品メーカー営業に向いている人・向いていない人|7年働いて感じた特徴

食品メーカー営業は「調整力」がかなり重要

食品メーカー営業を約7年間経験して、営業に必要なのはコミュニケーション力だけではないと感じています。

店舗を見て情報を集める。

POSなどの数字を分析する。

得意先へ提案する。

要望を受けたら社内で調整する。

そして決まった内容を再び得意先へ伝える。

実際の仕事では、こうした業務がつながっています。

特に既存取引先を担当する営業では、商品を一度売って終わりではありません。

取引を続けていく中で発生するさまざまな課題を、社内外の人と調整しながら解決していく仕事でもあります。

まとめ|社内調整も食品メーカー営業の重要な仕事

食品メーカー営業は、得意先と商談するだけの仕事ではありません。

得意先から要望を受けたら内容を整理し、必要に応じて数字を試算し、社内の関係者へ説明します。

そして会社としての方針が決まったら、再び営業が得意先へ回答します。

私が約7年間営業を経験して感じたのは、食品メーカー営業は「得意先に売る力」と同じくらい「社内を調整する力」が重要だということです。

外からは見えにくい仕事ですが、食品メーカー営業のリアルな仕事内容を知るうえでは欠かせない部分だと思います。

※本記事は筆者自身の食品メーカー営業経験をもとにしています。業務内容、営業担当者の権限、社内承認の方法などは企業・部署・担当得意先によって異なります。

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